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ゼネバスメモリアル [博物館]

ゼネバスメモリアル





ZOIDS

ZENEVASMEMORIAL

帝国の礎





マーダ
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全長:12.2m
全高:6.8m
重量:17.5t
最高速度:450~500km/h
武装:
中口径電磁砲、自己誘導ミサイルポッドのいずれかを搭載
小口径レーザー 機銃×2
コクピット横に機銃を2門装備
解説:
高速機動可能な戦闘ゾイドを駆るテクニックはゼネバス帝国が発祥と謂われている。その根拠となっているのが、伝説的高速戦闘ゾイド・マーダである。
 何を隠そうマーダは、高速戦闘ゾイドの名を冠すべき初のゾイドであった。
 マーダの最高速度は、マグネッサーホバリングを用いることにより、時速500kmとも伝えられている。高速機動状態を保ちながら敵ゾイドを取り囲み、撹乱し、嬲り殺しにしていく戦術は、初期戦役において共和国軍を恐怖させしめた。
 姿勢の安定のために、尻尾を脚代わりに(つまり、地面につけて)使うことも多かったガリウスと違い、マーダの尻尾は重心制御のためにのみ用いられた。後に主流となる「完全二足歩行」の先駆けである。この高度な安定性は、マーダが自由度の高い脚部関節をもち、脚の曲げ伸ばしで姿勢を高くも低くもできることによる。これがマグネッサーホバリングによる高速機動を可能にしていた要因である。
 また、速度に加え、前面投影面積の小さいマーダは全帝国ゾイドの中でもとりわけ被弾しにくく、生存性の高い機体であった。このことが多くの熟練パイロットを産み出すことに繋がり、ゼネバス帝国軍の精強さを支えた。
 マーダは編制計画において、ゼネバス帝国軍の中核を成す位置に置かれた。高速機動が可能なゾイドを中心に立てられたその計画が進むにつれ、他のゾイドにも高速行軍が可能となるような装備の必要性が高まってゆく。マグネッサーによって各ゾイドの行軍移動最高速度が「時速200km」台となるよう揃えられるに至り、帝国軍は諸兵科連合による戦闘団を組織することが可能になった。以降、ゼネバス帝国軍の戦術・戦略は機動力に重きを置いた電撃的なものになっていく。
モルガ
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全長:11.8m
全高:2.95m
重量:19.7t
最高速度:200km/h前後
武装:レーザーカッター×1
   グレートランチャー×4
   小口径レーザー×2
   多弾頭ミサイル×2
  解説:
 ゼネバス皇帝のブ厚い鎧、モルガ。重装甲で知られるモルガは、ゼネバス帝国の密集陣形最前衛として、共和国軍から恐れられた傑作機である。何よりも驚愕すべきは生産性で、あらゆる戦闘機械獣のうちでもその生産数は歴代トップであり続けたとされている。また、その生産数に見合った数多くの派生型があり、輸送用、調理用、給水用、消防用、野戦郵便用などにも利用された。
 ゼネバス帝国の主要構成部族であった地底族は、地下・半地下築城術に秀で、彼らが築く城塞は実に堅牢であった。彼らはゾイド星の堅い岩盤の掘削に、地面に穴を掘る習性をもつゾイドを活用した。その中でも、最も数多く利用されていたのがモルガの野生体であった。
 モルガはゾイド星の生態系では比較的下位に属する。知能が低く、且つ機械的で扱いやすい。また繁殖力・適応力も高く、場所によっては群生する事も多かった。生産性の高さもここに由来するが、それは取りも直さずモルガが「強力な戦闘力をもつゾイドではない」ことを示す。
 そのモルガを一躍「傑作」の域にまで達せしめたのは、地底族と盟友関係にあった火族の戦士・ガラモスである。火族は、土壌から析出した硝石と硫黄を用いて火薬を発明し、ゾイド星の戦場を一変させた部族である。その例に漏れず優れた戦闘工兵としての高い技能を持っていたガラモスは、攻城用戦闘工作ゾイドとしてモルガを利用した。
 堅い頭皮を生かして正面から敵陣地に肉薄。丈夫な顎をドーザー代わりに掘った穴に、背部コンテナから躍り出た火族の破壊工兵が爆薬を仕掛け、すぐさま撤退する。然る後に爆薬を起爆させれば、敵防御陣地には風穴が開く・・・。これが最初期モルガの運用術であった。
 ほどなくして、その突進力と突破力を買われて、モルガは機甲部隊の最先鋒として前線に投入される。背部コンテナには兵員ではなく武器を搭載するようになり、重装甲のウェポンキャリアーとしてのモルガが誕生するのである。
ゲーター
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全長:11.8m
全高:5.6m
重量:19.9t
最高速度:220km/h
武装:ガトリングビーム砲×1
   レーザーカッター×1
   MAD磁気探知機×1
   小口径レーザー×1
   全天候三次元レーダー×1
   コクピット横に機銃を2門装備
  解説:
 初期ゼネバス帝国軍唯一の電子探査機が、ゲーターである。
 野生のゲーターは帆のような背鰭を持った爬虫類型ゾイドである。その背鰭は感覚器であり、微弱な磁気や電磁波を感知し、大型捕食ゾイドや磁気嵐を避けて生活していた。胴体下部から生えた特徴的な脚で地を這うような姿も、地形に身を潜めるためだという説がある。
 改造を受けたゲーターはその基礎能力を活かし、背鰭に数千個のレーダー素子を埋め込まれた。これらは方向・高度を同時に測定する3次元レーダーで、しかも左右両面に装備されているため、全方位、高空・中空・低空域あらゆる高度に死角が存在しない。このため、ゲーターは各部隊の防空を担う重要な戦力だった。航空戦力において常時優位にあったヘリック共和国軍に対してゼネバス帝国軍が互角の戦いを繰り広げることができたのは、ゲーターが持つ「空を睨む目」の役割に負うところが大きい。
 また、地形による電波障害が唯一ゲーターの目を曇らせる要因であったが、これについては尾部に磁気探知機(MAD)を装備することによって補った。この装備は、ゾイドの鋼鉄の肉体が持つ磁気及びその移動による磁場の変化を検出し、方向・大きさなどを特定するもので、当時帝国軍でゲーターのみが標準装備していた。
 だから、危険の接近を察知し、その危険度を測る上でゲーターは欠かせない存在だった。

 しかしゲーターは当時の戦闘機械獣としてはその役割に特化しすぎたせいもあって、「戦闘には不向き」と見なされ、騎士道精神溢れる帝国のゾイドライダーからは敬遠されていた。ガトリングビーム砲は強力であったが、装弾数も少なく、機体の旋回速度も遅いので、積極的に攻撃・反撃に使えるものではなかった。しかし、尾部レーザーカッターと相俟って、機器が感知できない歩兵などを薙ぎ払うのには大いに役立ったようである。
ゲルダー
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全長:10.73m
全高:4.5m
重量:25.0t
最高速度:200km/h
武装:連装電磁砲
   3連衝撃レーザー
   コクピット下部に機銃を2門装備
解説:
ゲルダーは、損耗率が次第に増えていったマーダに代わるものとして設計された。その背景には、ゼネバス帝国の版図が拡大したことによって防御戦闘が増えたことが挙げられよう。奇襲攻撃や機動戦闘中のマーダは被弾率が低いものの、「そこにいる」と判ってしまえば無傷でいられることは期待できない。流石のマーダも砲弾より速いわけではなく、長距離からの砲撃で破壊されてしまうことは免れないのだ。マーダの真価は、その神出鬼没の機動力をもってして戦場を駆け巡り、柔軟かつ迅速に指揮官の要求に応えることにある。守備すべき地点があり、綿密な守備計画に基づいて配置される部隊で運用するには、マーダはその特性を活かしきれないのだ。
 このことを背景にして、迂回等を行うほどの機動力を犠牲にしてでも、長距離砲撃に耐え、戦線を維持するに充分な能力を持つゾイドが望まれるようになった。ゲルダーは、こうした「戦場のニーズ」に応えるために生み出された。
 ゲルダーは、マグネッサーホバリングシステムを使用すれば時速200kmの移動速度を出せるが、その重量による慣性を制御できないため複雑な機動は不可能で、これを戦闘機動で用いるには不安定すぎた。このためゲルダーは、小型ゾイドとしては鈍重な機体と言わざるを得ない。しかし、前面に特化した武装は横列に展開して防御線を構築するには最適であり、また低い姿勢と分厚い装甲も敵の突破を困難にした。

 兵站・後方支援に数多く利用されたザットンのフレームとゲルダーのフレームとが同規格であった事は、あまりにも有名である。これは、労働力の不足し始めたゼネバス帝国が、可能な限り生産ラインを:共有・省力化しようとしたためであった。武装にも簡素化の流れが見えており、弾薬補充等に大きな手間のかからない電磁砲やレーザー砲が選ばれている。
ザットン
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全長:10.1m
全高:8.7m
重量:25.5t
最高速度:180km/h
武装:連装電磁砲
   3連衝撃レーザー
   コクピット下部に機銃を2門装備、又単独にて飛行可能
解説:
  ザットンは、ゲルダーと同時期に開発された兄弟機である。そのため、「武装簡素化」「重装甲化」「生産簡略化」という当時の戦闘ゾイド開発における三本柱が踏襲されているわけであるが、兄弟機たる所以はそればかりではない。
 当初ザットンは、「堅牢な装甲を有する次期主力機」としてゲルダーと同時に競合試作されたゾイドであった。競合試作であるからどちらかが不採用となるのが本来だが、「正面の敵に対する突進力・衝撃力に優れるゲルダー」と「牽引力・搭載量で上を行き、重武装化に対応できるザットン」を比較して、どちらが優越しているとは言い難かった。ゲルダーは具体的な運用を想定しており、ザットンは明確な見通しが無い。しかし逆に言えば、ゲルダーは限定的であり、ザットンは柔軟であるという見方もできる。このように方向性の違う試作機が「競合」したのは、どうやら軍部からの要求がはっきりしていなかったためらしい。ガンビーノ粛清以前のゼネバス帝国軍内部が、如何に混迷していたかが知れる。
 結局、「役割を分ければパイロットの練成も効率化できる」、「同一規格のパーツを用いれば、二種類の機体を同時生産することになっても工場への負担軽減を図れる」というような理由で、両者が相互に補い合うことが期待され、帝国陸軍は「どちらも採用」という結論を出す。
 採用決定後、今度は両者の共同運用法について検討されることになった。
共同運用についての協議では、ゲルダーは前衛ゾイドとしての性格が明確であったため、ザットンはその補佐を行うものと決定された。この宣言は事実上、「ゲルダーを次期主力として認め、ザットンは二の次」ということでもあったが、むしろザットンはその長い首から観測性能に優れており、ゲルダーに前衛を譲った方がよりよく運用できたと言ってもよい。
 まず第一に、そのパワーを生かし、ゲルダーよりも装甲厚を増して生存率を高めた。第二に武装について、より広角度広範囲を射程に収められるよう、特に対空砲としても運用できるよう見直された。
 結果、ザットンは常にゲルダーの背後にあって、前衛を突破或いは迂回して後背を衝かんとする敵部隊を蹴散らし、航空戦力を近づけないための堅固な「後衛」としての位置を獲得したのである。当にザットンとゲルダーは、一心同体の兄弟機となった。
 また、拡張性の豊かさから、武装を外したザットンは輸送・偵察など様々な用途に供された。帝国陸軍前線兵士からより良く評価されていたのは表舞台に立ったゲルダーではなく、ザットンの方だったかもしれない。


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