SSブログ

アーマードスーツ その1 [博物館]

●アーマードスーツとは

 アーマードス-ツ(以下AS)と通称される戦闘用強化装甲服開発は、地球の企業GE社が1968年に試作した作業用パワーアシスト装置に源流を発すると考えられている。以来、いわゆる自律型ロボットと異なる「マン・スレイブ(操縦者と同じ動きをする)」タイプのロボットは、宇宙空間作業・外惑星探査用、医療(義手義足)・介助用等にも派生しつつ高度化してきたが、軍事目的では1980年代半ばから開発を進められていた。「パワード・イグゾスケルトン(強化外骨格)」と呼称されたそれは、以下のような過程で兵士のパワーアシストを行った。
pei.jpg
 まず、外骨格状フレームの関節部分に取り付けられた、関節角度を計測するロータリーエンコーダや、筋電位を計測する表面筋電位センサーから情報が送られてくる。それに基づいて、電源装置を兼ねたバックパックに搭載されるコントロールコンピュータが、作動に必要な指令を各関節のアクチュエータに伝えてパワーアシストを行う(また、プログラムによる動作再生も行うことができた。つまり、単純な動きなら自動化できた)。右の図は、その開発初期段階における試作機である。まだ「兵士の体感重量をゼロにする」という、強化外骨格開発の第1段階とも言える課題に取り組んでいる時期で、脚部のみの試作機のようだ。
 その開発は、歩兵単体の攻撃力とサバイバビリティを極限まで高めると同時に、ひとつの作戦行動を最小単位の時間で終結させることに主眼を置いて進められて来た。やがて「強化外骨格」は、筋力、耐久力、通信能力、防御力、隠密性、俊敏性、索敵能力、そして火力と歩兵に求められるすべての能力を200%以上にも増幅する「AS」へと進化を遂げた。最も困難な状況下で、最大限にその威力を発揮すべく運用される究極の個人用戦闘装備の誕生である。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。