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へリックメモリアル① [博物館]






BONICAL ZOIDS

HERICMEMORIAL

共和国の礎




ガリウス
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全長6.5m
全高7.8m
全幅3.5m
重量12.5t
最高速度270km/h

武装
マクサー30mmビーム砲×1(腰部)
エルパミサイルランチャー×2(腰部側面)
パイクラーエレショット×1(腰部)

 身体構造の強靱でないゾイドは捕獲がし易く、ゾイド星人類史の比較的初期から家畜として人間に利用されてきた。ガリウスもその一つである。
 軽快なフットワークを持ち、その運動性と戦闘力で中央大陸戦役初期には群を抜く性能を示した。パイクラーエレショットや30mmビーム砲による威嚇・制圧射を行いながら、退避しようとする敵部隊を追い詰め、包囲し、エルパ・ミサイルで止めを刺す戦法は、帝国軍のマーダ部隊も参考にしたという。が、実はこれは歩兵部隊が陣地攻撃などに用いる戦法と同じものであり、特にオリジナリティのあるものではない。戦闘ゾイドの歴史上重要なのは、「ガリウスが歩兵同様に用いられた」という点である。所謂「歩兵ゾイド」という呼び方が生まれ、この言葉は微妙に意味を変えながら現在まで使われている。
 さて、ガリウスの用法・設計思想は後に重装甲歩兵ゾイド・ゴドスに活かされ、これを名機たらしめた。しかし、ガリウスは重装甲ゾイドがゼネバス・ヘリック両国によって戦場に投入される頃には前線での戦闘に耐えうるだけの能力を持たないと見なされるようになる。機動力に優れているとはいえ、大量投入される敵ゾイドの攻撃全てを回避できるわけではない。そのため、何よりその構造上の脆弱さがネックとなってきたのである。
 以後、戦闘用ゾイド開発競争開始の波も受けて、ガリウスは兵士のゾイド操縦訓練に用いられることとなった。共和国軍の主力たるゴドスの訓練機には最適なゾイドだったろう。
 現在では個体数も激減し、もはや民間でさえ殆ど用いられていないようである。訓練の用にすら供される事無くなったガリウスの姿は、一部の博物館でのみ見ることができる。

グランチュラ
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全長6.0m
全高4.8m
全幅6.1m
重量4.6t
最高速度330km/h

武装
マクサー35mmビーム砲×2(頸部)
ワイヤー射出器(後部)
パイクラーエレショット×1(背部)

 グランチュラは、ヘリック共和国において探査メカとして用いられた多足(虫型)ゾイドである。8本の脚は、細いながらも1本1本にサーボモーターを備えており、外観よりもパワフルな戦闘機械獣であった。
 殊に、グランチュラのパワーが遺憾なく発揮されるのは、8個のサーボモーター全てを作動させてのジャンプである。脚を大きく撓めてのジャンプ力はかなりのもので、山を越え、谷を渡り、ゾイド星の如何なる不整地でも踏破できたと言われる。また先端部は硬く鋭い高密度の金属外骨格組織でできており、その驚異的な踏破力を裏付ける。自然・人工のいかなる構造物でも食い込んで、自重を保持することができただろう。
 更にグランチュラの行動力を高めたのが、野生体が生まれながらに有する「金属線を作り出す能力」を利用した装備、ワイヤー射出器である。敵を絡めとるためにも用いられたこのワイヤーは、それ以上にグランチュラの移動の助けとなった。このワイヤーによって、グランチュラは高い崖を一気に下ることも、河を渡る事もできたのである。
 グランチュラが探査メカとしてヘリック共和国軍に採用されたのも、その走破性能あればこそであった。偵察行動に関しては、グランチュラの挙げた成果は実に華々しい。多数の敵と遭遇しない限り、グランチュラはゼネバス帝国軍基地に関する情報を隠密裡に持ち帰ることができた。
 しかし逆に言えば、走破性能を除けばグランチュラにはあまり良いところがない。と、いうのも、グランチュラはガリウスやエレファンタス等に比べて構造が更に脆弱で、戦闘には耐えられない機体だったからである。
 そのことは重量の軽さとなってデータにも表れている。この軽量さは、殆どの体構造がムダを省いた網目格子状組織や、薄い外骨格のハニカム構造で構成されていることによる。簡単に言えば、頑丈なのは脚先だけで、他は非常に脆いのだ。
 レーダーによる電子探査の重要度が増し、また戦闘機械獣の武装が強力になるにつれ、グランチュラは必要とされなくなっていったのだった。
エレファンタス
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全長:8.3m
全高:4.0m
重量:17.7t
最高速度:95km/h
武装:マクサー35mmビーム砲×2(頚部)
   エルパミサイルポッド××2(側腹部)
   対空ミサイルランチャー×1(背部)
   3Dレーダー

ゾイド星史上初の電子探査用ゾイドが、エレファンタスである。
エレファンタスの野生体は、草木を食べる非常におとなしいゾイドだ。硬い樹皮の植物も好物で、それを堅牢な骨格に変換してはいるが、外皮は特筆するほど硬くない。
その大人しさは、取りも直さず大型の肉食ゾイドに捕食される運命にあることを示す。エレファンタスは生態系の中層に位置する存在なのである。そのため古代においては、人間に捕獲されて農作業や開拓に用いられることはあっても、部族間の戦争に役立つとは到底言えなかった。ゾイド星には、エレファンタスと同サイズでも、より戦闘向きの性質を有するゾイドが数多く存在したからである。
エレファンタスが他のゾイドと違ったのは、「鼻」の役割を果たすと考えられている感覚器の存在であった。ただし、それは人間の常識では考えられないところに存在している。顔の側面、そう、つまり人間が観察したとき「耳」のように見える部分が「鼻」なのだ!
「鼻」自体は、特別な存在ではない。エレファンタスだけでなく、さまざまなゾイドが体内に備えている感覚器官だ。ただしそれは、人間のように「匂い、つまり空気中の粒子の種類を判別する器官」ではない。端的に言えば、「磁性・磁場を感知する器官」である。
艦船がそうであるように、巨大な金属塊であるゾイドは大きな磁場を持っている。重く大きなゾイドであるほど磁場の大きさは増し、高速で移動するほど磁力線の変化は激しくなる。エレファンタスは、受容器としての機能を進化・巨大化させたその「鼻」によって、自分の身に迫る危機、即ち大型ゾイドの接近を感知していたのである。
地球人はこの「鼻」の機能に着目し、改良を施すことによって、電波受信や3次元解析も可能なレーダーとして利用。通信傍受、偵察、警戒などに用いられるようになるも、臆病な性格や火器を用いた戦闘ではかなり脆弱であったことから、会敵の可能性には十分留意しなくてはならなかった。
しかし、やがて帝国ゾイドがマグネッサーによる高速移動能力を備えてからは、発見されると振り切ることもできないまま撃破されてしまうようになった。自陣防御網を出ることができなくなっては、エレファンタスは活躍の機会を失ってしまう。
こうしてエレファンタスは、共和国軍の中で御役御免となっていくのである。
グライドラー
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全長:5.3m
全高:5.2m
重量:3.9t
最高速度:マッハ2.3
巡航速度:マッハ1
航続距離:20000km
武装:ビームバルカン(胸部)
   ブースターロケット
   対空ミサイルランチャー×4(翼部に搭載可能)

グライドラーは、元々季節ごとに各地の湖沼等を転々とする渡り鳥的な生活を行っていた野性ゾイドを改造したものだ。「水鳥型」などと称されるのはそのためで、流れのない穏やかな水辺で、そこに生息する魚類を餌にする。しかしその体構造は「水鳥」の印象とはかけ離れたもので、正にゾイド星特有の生物と言える。
それが如実に現れているのが推進器官である。グライドラーの翼は野生体の状態でさえ非常に小さく、磁気風によって得られる推力もまた小さい。軽量なゾイドとはいえ、長時間飛行状態を持続させるにはとても足りない。その翼は、航空機の尾翼に相当するもので、実は姿勢制御の役割が大きい。
ではグライドラーの主推力はどこから得られるのかというと、脚である。脚は底面に向けて箱状に開口しておりその中には薄く小さな「翅」が何枚も生えている。これが超高速で回転することによって浮揚/推進力を得るのである。外見からは判然としないものの、実はグライドラーは「オーニソプター」なのである。
翅から生まれた風は常に一定方向に向けられ、効率的に推力を得る。特に地表・水面近くでは地面効果で効率的に飛行ができる。エネルギー消費量の大きなマグネッサーや燃料を必要とするジェットエンジンと違い、「筋肉」によって飛ぶため、後の時代の飛行ゾイドに比べて燃費が良いという特徴もある。巡航速度を維持すれば、惑星Ziを半周以上できる航続距離を誇る。
基本武装はレーザーバルカンのみ。普通のバルカン砲のように銃身の寿命を延ばす意味はなく、12個の発振器を円形に配して時間差発射することで、命中率の上昇を狙ったものである。
当初は偵察機として用いられたが、上昇限度が低いため、火器の発達に伴って撃破数が多くなった。グライドラーは後継のペガサロスに座を譲り、主に民間用としての需要を開拓していくことになる。
アクアドン
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全長:9.8m
全高:2.7m
重量:5.9t
最高水上速度:43kt
最高水中速度:32kt
武装:ニコールフォノンメーザー
   水中ミサイル×2(頚部)
   パイクラーエレショット
   ホセマイクロセンサー
   高速ジェットフィン×2(脚部)

アクアドンは、河沼地帯に棲むゾイドを改造した戦闘機械獣である。水中・水上戦闘に特化しており、陸上に上がることも可能ではあるが活動可能時間は長くはない。

中央大陸戦争初期におけるヘリック共和国の水上戦力の優位性は、このアクアドンの時代から続いていたと言ってよい。この頃のゼネバス帝国軍の水上戦力と言えば、改造を受けていない超小型ゾイドに騎乗する「水騎兵」(※海族発祥)や、小型の舟艇にほぼ限られていたからである。これは、古代におけるゾイド星人の争いが専らその生活圏の確保を目的としていたことに由来する。どんな部族も生活の基盤は陸上にあり、そのため陸地の陣取り合戦にこそ意味があって、制海権の確保に対して大きな意味を見出せなかったのである。沿岸地域を生活圏としていたのは海族が主であり、彼らですら洋上を戦場とする機会はほとんど無かった。
そのためアクアドンの主装備は、「陸上攻撃の前提となる渡河・上陸作戦などにおいて、水中に潜んだまま陸上・水上の敵戦力を粉砕するもの」として、水中発射式ミサイルが選択された。また、同様に潜水したまま敵舟艇の船底に穴を穿つフォノンメーザーも搭載された。アクアドンは、敵ゾイドに狙われることのない水中から攻撃を仕掛けることでゼネバス帝国の海洋進出を阻み、永きに亘るヘリック共和国の海上無敵時代の礎を築いたのである。

しかしアクアドンもフロレシオス採用からは専ら調査用・河川パトロール用となり、前線では殆ど見られなくなってしまう。

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