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CAP [博物館]

環形動力電堆
Circuler Actuating Pile

1,概要
 環形動力電堆(略して「CAP」)とは、ゾイドの関節等の動力伝達に用いられている構造の一種である。大小様々であるが、多くのゾイドの特徴であり、時にゾイドの象徴として描かれる等、代名詞と呼んでもよいものであろう。ゾイドは野生体の時点でこの構造を有している。人間によりサイバネティクス化される際、共通規格のものに置き換えられるものの、飽くまでも元々ゾイドが持っていた器官を応用しているに過ぎない。
 電堆とは、金属板から電子を移動させて電流を発生させるために、電解質の液体に浸した2種類の金属板を積層する構造を指す。地球において、西暦1794年イタリアの物理学者ボルタによって発明され、その後「電池」として長く使用された。
 このCAP構造にゾイドコアを持つものを総じて「ゾイド」と呼んでいる。逆に言えば、サンドスピーダのようにゾイドコアを持たずCAPもないビークルなどは、ゾイドには数えられない。


2,構造
 ゾイドは関節部分に電流を発生させる器官として、また、それを用いて回転動力を得るための器官としての体構造を有している。電流を発生させるのは「ケース」と呼ばれる柔軟性を持つ組織であり、動力を得るための軸となる組織に覆いかぶさるように(見方を変えれば挿入されているように)なっている。
 円筒型のケースは魔法瓶のような中空構造を持つ。このケースの中には、電解質の酸性液体と数百層の薄い環形金属板がある。環形金属板は、ケース中に満たされた液体によって電離して電流を発生させるようになっており、まさに「電堆」と同様の仕組みである。環形金属板が完全に酸化してしまうと、CAPは機能しなくなり、酸化した金属を酸化していない金属と代謝させることで電堆が維持される。ゾイドは、炭素生物がタンパク質を体組織作りに利用するように、摂取した金属成分を体組織に置き換える。つまりゾイドにとっても摂食は、その体組織の維持が目的なのであるが、その大部分はこの「電堆」の維持に利用されるとみなされている。運動能力に優れた種のゾイドほど、多くの金属成分を摂取しなくてはならない。
 なお、ゾイドは、惑星Ziに生息する植物の表皮構造から金属成分を吸収できる種(草食ゾイド)と、動物の体組織から吸収できる種(肉食ゾイド)に分かれているが、より多くの金属成分を蓄積している「ゾイドそのもの」を捕食する種の方が運動能力が高い傾向がある。これは、電堆に代謝させることのできる金属量が多いためである。
 ブロックスゾイドに採用された「ブロックス」は、XYZ軸方向の3つのCAPを1つのブロックに組み込むという、超コンパクト化されたユニットである。その代わりにコアブロックス(人工ゾイドコア)自体の出力は大きくはなく、エネルギージェネレータを他のブロックスユニットに分散させている。(つまり、すべてのブロックスユニットがジェネレータの機能を有している。)ブロックスユニットを多く積んだ機体の方が強力なのは、このためである。

3,その他の用途
 CAPは電流を発生させるジェネレーターでありつつ、様々な役割を果たすものである。軸組織がゾイドコアからのエネルギーを伝達すれば、サーボモーターとして回転動力を生み出す。多くのゾイドの脚基部関節が、まさにこれである。また、それを軸からギアに伝達して増幅したりすれば、往復運動のみを取り出すことも可能である。尾部等に見られる仕組みである。
 他にも、自らトルクを生み出す巨大な「ネジ」として、装甲やバックパック等にとっては強弱自在の柔軟かつ堅固なロック機構として働かせることもある。このような機構の代表格として、アイアンコングの装甲及び大型ミサイルバックパックや、ゴジュラスガナー等に搭載されたロングレンジバスターキャノン基部等に採用されたCAPがある。

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